ひな祭りの歌が怖いと言われる理由|本当は切ない歌だった

ひな祭りに歌われる「たのしいひなまつり」の歌詞には怖い歌詞が隠されていると言われています。

「たのしいひなまつり」が怖いと言われる理由は、作者であるサトウハチローさんの実のお姉さんが亡くなった時の顔と、官女の顔がよく似ているという内容が歌詞に含まれているからです。

亡くなった人が出てくるなんて一見怖い歌のようですが「たのしいひなまつり」は決して怖い歌ではありません。

この歌詞はサトウハチローさんが自身の離婚により寂しい思いをさせてしまっている子供達を楽しませることが出来るようなひな祭りにしてあげたい、という気持ちの中で作詞したものです。

ひな祭りの歌は家族を想うあまり、昔亡くなった大切なお姉さんのことを思い出した作者の「切ない思い」が詰まった歌なのです。

この記事ではひなまつりの歌が怖いと言われている理由や、この歌詞が作られた切ない背景について詳しく書いていきたいと思います。

 

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ひなまつりの歌が怖いと言われる理由

「お嫁にいらした姉さまによく似た官女の白い顔」

この部分が「怖い」と言われており、ここに出てくる“姉さま”は、作者であるサトウハチローさんの実のお姉さんのことを指しています。

お嫁にいらした姉さま亡くなったお姉さん
白い顔亡くなった時のお姉さんの白い顔という意味です。

 

サトウハチローさんのお姉さんについて

歌詞が意味について詳しく解説していく為に、まずサトウハチローさんのお姉さんについてご紹介します。

お姉さんは小さい頃に腰に大火傷を負ったことから家の中で過ごすことが多かったサトウハチローさんをいつも気遣ってくれる、とても優しい方でした。

サトウハチローさんに読み書きやピアノを教えたのもお姉さんで、本当に仲が良い兄妹だったそうです。

お姉さんは18歳でお嫁に行くことに決まりましたが、大好きなお姉さんが嫁いでしまう事がサトウハチローさんにとってはとても寂しく悲しいことでした。

しかし、お姉さんはお嫁に行く少し前に結核にかかってしまいました。

当時結核は不治の病とされ、かかると療養所に隔離されてしまうもので、お姉さんも例外なく隔離され、婚約も破棄されてしまいました。

この時サトウハチローさんは
「自分がお嫁に行くことを悲しんだから結核になんてなってしまったんだ」

と嫁ぐことを悲しんだ事を悔やんだそうです。その後、お姉さんは18歳という若さで亡くなってしまいました。

 

怖いと言われる歌詞の本当の意味

怖いと言われる歌詞の本当の意味について詳しく解説していきたいと思います。

まず、「うれしいひなまつり」の中で、怖いと言われる歌詞は2番の部分です。

     【2番】
お内裏さまと おひなさま
二人ならんで すまし顔
お嫁にいらした 姉さまに
よく似た官女の 白い顔
作詞:サトウハチロー 作曲:河村光陽 童謡「うれしいひなまつり」より引用

うれしいひなまつりの歌詞全体が気になるという方は、下記リンクからご確認をお願いします。

●うたまっぷ うれしいひなまつり 童謡 歌詞情報

 

 

●「お嫁にいらした」の意味

実のお姉さんに対して、「お嫁にいらした」という尊敬語が使われているのは
「神の元に嫁にいらした」という意味が含まれているからです。

いらした”は“来た”の尊敬語=“お嫁に来た”時の言い回しで、実の姉に対して「いらした」を使うのは、普通は違和感があります。

昔はとても位の高いところに嫁ぐ場合には嫁ぎ先を崇める意味で、身内に対しても「あのお家に、お嫁にいらしたという表現を使うこともあったそうです。
しかし、お姉さんは実際にはお嫁に行く事はできませんでした。

サトウハチローさんはこの歌の中で、お姉さんは

「黄泉の国」へ嫁いだ=「神の元」へ嫁いだつまり、お姉さんは最も位の高い神の元に嫁いだ

という意味で、あえて「いらした」という表現を使っているのです。

 

●「白い顔」の意味

お姉さんは色白で美しかったようですが、この白い顔というのはお姉さんが亡くなった時の顔色のことです。

 

つまり「お嫁にいらした姉様に よく似た官女の白い顔」
「亡くなって神のところに嫁いだお姉さんによく似た官女の、亡くなった人のような白い顔」という意味の歌詞なのです。

「たのしいひなまつり」のはずなのに、雛人形の官女を亡くなった人の顔みたいだ、と歌っているので、ひなまつりの歌は「怖い」と言われています。

 

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「たのしいひなまつり」が寂しげな理由 

ひなまつりの歌は「たのしいひなまつり」という曲名なのに、どこか暗い雰囲気があり、曲名とのギャップを感じます。
それはサトウハチローさんがこの詞を書いている時の感情が表れているからだと言われているのです。

サトウハチローさんはこの詞を書く少し前に離婚し、3人の幼い子供を引き取っています。一番上の子もまだ小学生であり、母親がいなくて寂しい思いをさせてしまっている子供たちに対して「申し訳ない」と感じていたそうです。

そこで、せめて寂しくないようにと立派なお雛様をプレゼントし、この歌詞を書きました。
子供たちが喜んで、雛人形を眺めることで寂しさを紛らわせている姿を見て、サトウハチローさんは「申し訳ない」と思っていました。


「たのしいひなまつり」を家族に喜んでもらう為に作りたいという気持ちと自分のせいで寂しい思いをさせて申し訳なく思う気持ちが入り混じってできたのが、この「たのしいひなまつり」です。

複雑な思いの中で作った為、ストレートに明るい雰囲気の曲になっていないのですね。
きっと家族を想ううちに、亡くなったお姉さんのことも自然と頭に蘇ったのでしょう。

 

ひなまつりの歌には間違いがある

「たのしいひなまつり」には間違いが2つあるのをご存知でしょうか。この歌が有名になることで広まってしまった間違いを紹介します。

①お内裏さまと おひなさま 二人ならんで すまし顔

お内裏様=男、お雛様=女 という認識の人が多いと思いますが、正しくは、以下の通りです。

  • お内裏様=最上段の2人のこと
  • お雛様=雛人形飾り全体のこと

「みんな並んですまし顔」だったらしっくりきていましたね。

 

②あかいお顔の 右大臣

お雛様には赤い顔と白い顔の右大臣と左大臣がいますが、赤い顔をしているのは左大臣なので、この歌は間違いです。

サトウハチローさんはこの歌を作った時自身から向かって右に飾ってあった「赤い顔」の人形を右大臣と思い、作詞してしまったようですが、実際にはお雛様側から見ての方向で考えるので、向かって右が左大臣なのです。

 

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ひなまつりの歌は切ない歌

「ひなまつりの歌が怖い」と言われるのは、サトウハチローさんの亡くなったお姉さんと官女の顔がよく似ているという内容が歌詞に含まれているからです。

童謡の、しかも女の子の健やかな成長を祈るひな祭りの歌に亡くなった人を連想させる歌詞があるというのは一見「怖い」という印象にもなるかもしれません。

しかし、サトウハチローさんにとって、この歌は大切な家族を思って書いたものです。

子供達のことを思い作詞をするうちに、亡くなったお姉さんのことが思い出され、大切に思うお姉さんを、歌詞の中に入れたいと考えたのでしょう。

この歌詞は亡き姉のことや家族を想って書かれた、怖いと言うよりも「切ない」歌なのです。

 

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ひなまつり 歌 怖い
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