•かたつむりの歌詞の意味
•ツノとヤリの意味【2説】
•2つの説の信憑性について
•かたつむりの豆知識
かたつむりの歌詞の意味や、ツノ&ヤリの意味【2つの説】について詳しく解説します。
かたつむりの歌詞と全体の意味
•かたつむりの歌詞
•歌詞全体の意味
•かたつむりの由来
かたつむりの歌詞
でんでん虫々 かたつむり
お前のあたまは どこにある
角だせ槍だせ あたまだせ
でんでん虫々 かたつむり
お前のめだまは どこにある
角だせ槍だせ めだま出せ
(作者不詳)
歌詞全体の意味
『かたつむり』の歌詞は子どもがかたつむりに「頭と目玉を出して!」と話しかけるというもの。
1番で頭出せ!と歌った結果かたつむりは頭を出してくれます。
だから今度は目玉出せ!と歌っているんですね。
かたつむりという謎の生き物に対して子どもが興味を持ってちょっかいを出している様子を歌った歌です。
元はわらべうた
この歌は1911(明治4)年に尋常小学校の1年生の教科書に載せるために作られました。
※尋常小学校=現在の小中学校
昔から歌われていた『かたつむりのわらべうた』を元に作られたと言われています。
わらべうた=子どもたちの遊びの中で作られた歌
時代や場所によって形を変えて伝わることもある口伝えの歌。

分かった!
ところでツノとヤリってかたつむりのなんのことを歌ってるの?
ツノとヤリの意味
•歌詞の【ツノヤリ】の意味
•触覚と恋矢とは何なのか
ツノとヤリの意味2説

この疑問の答えには2つの説があります。
説①
ツノ=4本の触覚、ヤリ=恋矢
説②
ツノ=大触覚 ヤリ=小触覚
ツノ=触覚
『かたつむり』の歌詞のツノ=触覚のこと。
ただ、触覚のどの部分かについては説により違いがあります。
説①4本全部
説②2本の大触覚だけ

【4本の触覚の役割】
多くのかたつむりには大小2本ずつの合計4本の触覚があります。
●大触覚
先っぽに目玉がついている長い大触覚は障害物を察知します。
かたつむりの目はほとんど見えていないため、この大触覚全体が「目」の役割を果たしています。
●小触覚
長い触覚の下にある短い小触覚は味や匂いを感じることができ、「鼻」の役割を果たしています。
2つの説の違いを改めてまとめると以下の通りです。
説①
ツノ=大触覚&小触覚、ヤリ=恋矢
説②
ツノ=大触覚、ヤリ=小触覚

ヤリ=恋矢とする説もある
説①の【恋矢(れんし)】は聞き慣れない言葉ですよね。
これはかたつむりやナメクジが交尾の時にしか出さないとても珍しいものです。
『かたつむり』の歌詞のヤリの意味=滅多に見られない恋矢だとする説もあります。
【恋矢の役割】
恋矢(れんし)はかたつむりが交尾の時に相手に突き刺す、槍のような形の器官です。
頭の下の方にあり、普段は隠れています。
交尾が終わると抜け落ちて、また数日後に再生します。

【ヤリ】2つの説の信憑性
•①ヤリ=恋矢説の考察
•②ヤリ=触覚説の考察
①恋矢説が近年優勢
ヤリ=恋矢説は2000年以降テレビなどで特集され、注目されています。
確かに恋矢の形はまさにヤリ。
見た目がそっくりなこともあって「ヤリ=恋矢」と言われるようになりました。
しかし以下のような疑問もあります。
【恋矢説に感じる疑問】
●童謡に交尾の話?
→小学1年生の教科書用に作った童謡の歌詞に「恋矢を出せ」という歌詞を作るとは考えにくい。
●なかなか見られないのに歌になる?
→恋矢は四六時中観察していないと見られないほど貴重なもの。
わらべうたが元になっているとされる歌の歌詞としては不自然。
これらの疑問から、大人が「こうだったら面白いよね」という発想で【ヤリ=恋矢説】ができたとも言われています。
②小触覚説の方が自然
ツノ・ヤリ=触覚説は、最近「恋矢説」の影に隠れ気味。
触覚の見た目にヤリ感はあまりありません。
しかし『かたつむり』がわらべうたを元に教科書用に作られたことを考えると恋矢よりも触覚説の方が自然です。
上でも書いた通り、わらべうた=子どもたちの遊びの中で作られた歌。
四六時中観察していないと見ることが出来ない恋矢を「出せ」と歌うとはちょっと考えにくいです。
童謡に交尾の際に見られるものを意味する歌詞を入れるのもおかしいように思います。
そのため私は【ツノもヤリも触覚】の方が信憑生があるように思います。

かたつむりの呼び名はたくさん
•かたつむりの呼び名
•それぞれの呼び名の由来
かたつむり
現在最もメジャーな呼び方は歌のタイトルにもなっている【かたつむり】。
昔はかたつむりのことも「ナメクジ」と呼んでいました。
かたつむりはナメクジが傘をさしているような格好だから【笠つぶり】と言うようになったそうです。
【かさ(笠)+つぶり(頭、丸いつぶ)】
=【かたつむり】
※つぶり=つむり
でんでんむし
でんでんむしは京都発祥の一番新しいかたつむりの呼び方だと言われています。
新しいとは言っても使われ出したのは室町時代。
狂言の「蝸牛(かぎゅう)」でかたつむりを探す時に「出ん出ん(出てこい出てこい)」と歌ったのが最初だと言われています。
【出ろ出ろ 虫】
→【でんでんむし】
マイマイ
マイマイは関東を中心に広まっていた呼び名です。
かたつむりの殻の巻いている様子を「巻き巻き」と言い、それが変化したもの。
マイマイ+つぶり(頭、丸い塊)=まいまいつぶり、まいまいつぶらとも言います。
【巻き巻き】
→【マイマイ】
蝸牛
蝸牛(かぎゅう)は現在はあまり耳にしませんが、前述の通り狂言にもなっている呼び方。
かたつむりの見た目からできた言葉です。
【渦巻く殻+牛のツノのような触覚】
=【蝸牛】
昔かたつむりの呼び方は地域によって様々でした。
240もの呼び方があったと言われています。
- 240の呼び名の一部↓
-
でんでんむし
ででかま
でぇらくどん
でんでんがらむし
まえまえ
めめんじょ
めんめん
まいまいどん
ぐずぐず
かたかたばい
かったなむり
かなつぶ
つんぶり
かいつぶれ
まめつんぐり
つるまめ
たまぐら
へびたまぐり
なめぐずり
なめくじら
かいなめら
まめくじ
いえかつぎ
など…

かたつむりの驚きの生態
•かたつむりの元=貝
•実は性別がない
•かたつむりの食べ物
かたつむりは貝
かたつむりは元々貝、サザエやタニシなどの仲間なんです。
貝が陸で生活できるように肺呼吸に進化しましたが、貝殻は背負ったまま。
独特な進化を遂げています。
かたつむりが乾燥に弱いのは水中の生き物だった名残です。
性別がない|1匹でオスメス
かたつむりには性別がなく、1匹でオスメスの役割を持っています。
効率良く繁殖するために性別がないと言われています。
かたつむりは動作が遅いため、他のかたつむりに出会う機会が多くありません。
誰でも交際相手になるように性別がないのです。
色々食べる
かたつむりは色んなものを食べます。
生の葉
枯れ葉
菌類(キノコ・カビなど)
ミミズ
他のカタツムリ
新聞紙
折り紙
など
差し出されて「これいける」と思ったら食べると言う感覚でしょうか。
●コンクリート食べる説
「かたつむりはコンクリートを食べる」と聞いたことありませんか?
正確にはコンクリートについた藻を食べており、その時にちょっとずつコンクリートも口にしているかもと言われています。
かたつむりは子どもの好奇心を歌っている
•『かたつむり』は子どもたちの遊びの中で「頭出せ」など呼びかけている歌
•ツノは触覚を意味している
•ヤリは恋矢説と触覚説があり、どちらが正解かは不明
•かたつむりにはたくさんの呼び名があった
•かたつむりは性別がないなど不思議な生態
『かたつむり』はツノやヤリがニョキニョキ出てくる生物を見た子どもの反応が素直に歌になっています。
「ヤリって結局なんなんだ?」と気になるところではあります。
でも、かたつむりを見かけたら大人も一緒になって無邪気に『かたつむり』を口ずさんでみてはいかがでしょうか。
なんだか子どもの時の好奇心や無邪気さが蘇ってきますよ。