時間の大切さを表すことわざのひとつ「歳月人を待たず(さいげつひとをまたず)」は、「時は人の都合などかまわずに、どんどん過ぎていくものである」という意味です。「時間は人の都合など考えずにどんどん過ぎていき、二度と戻らないのだから、大切にしなくてはならない」という意味を込めた格言でもあります。
日本での使われ方としては、年長者が若者に「若いうちに勉強しなさい」などと注意する場合をイメージが強いですが、「二度とこない今を楽しく生きよう」と楽しむことの大切さを伝えたい時にも適していることわざです。
ここでは「歳月人を待たず」の詳しい意味と適した使い方を、全く違ったニュアンスで使われていた由来を交えて解説していきます。
歳月人を待たずの意味をわかりやすく解説
時間の大切さを表すことわざ「歳月人を待たず」は「時は人の都合などかまわずに、どんどん過ぎていくものである」という意味です。「時間は人の都合など考えずにどんどん過ぎていき、二度と戻らないのだから、大切にしなくてはならない」という意味を込めた格言でもあります。
時間はゆっくり進んで欲しいと思っても、待ちも戻りもしてくれず、絶対に操作できないものであり、人の都合など考えてくれることはありません。「気付いたらこんなに歳をとっていた」と言うことのないよう、その時その時を一生懸命生き、「時間」を大切にしなくてはならないということをこのことわざは教えてくれます。
歳月人を待たずの使い方|例文と共に解説
歳月人を待たずを使う場面
歳月人を待たずは「時間は人の都合など気にせず過ぎてしまうため、若いうちに勉強に励みなさい」というように年長者が若者に対して注意する時などに使うことが多いことわざです。しかし、元々の漢詩では「楽しむ時は思い切り楽しみなさい」という全く逆のニュアンスで使われていました。つまり、「時間を大切にし、今を一生懸命に生きよう」というメッセージを伝えたい時に適していることわざです。
●「歳月人を待たず」の由来
歳月人を待たずは中国の陶潜(とうせん)が読んだ詩の中に出てきます。その詩の一部は以下の通りです。
盛年重ねて来たらず 一日再び晨(あした)なり難し 時に及んで当に勉励すべし 歳月人を待たず」
(現代語訳)
若い時は二度とは戻ってこないのです。一日に二度目の朝はない、楽しめる時は大いに楽しもう。時間は人を待ってはくれないのですから。
この前の部分に「酒を飲んで大いに騒ごう」という内容もあるため、元々の詩の中の「勉励」は「酒を飲んで騒いで楽しむことに励みなさい」という意味だったのです。それが日本に伝わった際に、「勉学に励みなさい」という意味でよく使われるようになりました。
例文
●若者にアドバイスや注意をする場合
「若手のうちにたくさん勉強していろんなことを吸収しておくべきだと思う。歳取ってからでは教えてくれる人もいなくなるしね。歳月人を待たずだから、今のうちだと思って先輩に色々と聞いておいた方が良いよ。」
●その時を楽しむことをすすめる場合
「みんな遊びにいきたかったけど、明日起きられなかったら嫌だから今日の誘いは断ってきたよ。」
「その姿勢も大事だけど、若いうちに楽しい集まりに参加してとことん騒いでおいた方が良い。歳月人を待たずだから、気付いたら騒いだりできない歳になっちゃうよ。」
「歳月人を待たずと言いますから、この時間を思う存分楽しもう。」
このページのまとめ
時間の大切さを表すことわざのひとつ「歳月人を待たず(さいげつひとをまたず)」の意味、伝えることが出来るメッセージ、使う場面は以下の通りです。時間の大切さを一言で表したい時に、ぜひ参考にしてください。
意味 |
時は人の都合などかまわずに、どんどん過ぎていくものである |
伝えられるメッセージ |
時間は人の都合など考えずにどんどん過ぎていき、二度と戻らないのだから、大切にしなくてはならない |
使う場面 |
時間を大切にし、今を一生懸命生きようということを伝えたい時 |