•さくらさくら【新歌詞の意味】
•歌詞が2つある理由
さくらさくらの旧歌詞の意味
•旧歌詞の意味【2パターン】
•歌詞の意味=解釈は自由
旧歌詞【弥生の空は】
さくら さくら
弥生の空は 見渡すかぎり
霞か雲か 匂いぞ出ずる
いざや いざや 見にゆかん
(作者不詳)
●わかりにくい言葉
・弥生 = 3月
・匂い = 匂い/色合い、色つや
・いざや = さあ
旧歌詞の意味は大きく2パターン考えられます。
それぞれ紹介していきますね。
旧歌詞の意味①空=景色
3月の景色は
見渡す限り桜の花が広がり
霧か雲がたくさんあるかのよう
桜の色がはっきりしてきた
(良い香りがしてきた)
さあさあ見に行こう
桜が満開の景色をぼんやりとした空に例えています。
高台から桜が満開の景色を見ているとイメージしてみてください。
一面に桜の花が広がり、まるで霧か雲がたくさんあるかのように見えますよね。
匂いの解釈は2つあり、どちらでも良いでしょう。
●匂いの意味
①桜の色がはっきりする、映える
②桜の匂い
旧歌詞の意味②空=空
さくらが咲く3月の空を見渡すと
霧か雲がたくさんあるかのよう
そんな中
桜の色がはっきりしてきた
(良い香りがしてきた)
さあさあ見に行こう
こちらは空をストレートに「空」とした解釈。
匂いについては①と同じくどちらの解釈もできます。


歌詞の解釈は自由
この記事では「さくらさくら」の歌詞の意味として一般的なものを紹介しています。
しかし、これは一例です。
作者不詳の歌のため、どう解釈するのが正しいかわからないからです。
一つ確かなこと=満開に咲いた桜の美しさを歌っていること。
特に旧歌詞の解釈の仕方は人それぞれになりやすいですが、どう捉えても間違いではありません。
歌う人の想像や感性によって意味が違って良いものだと思います。
紹介した歌詞の意味を参考に自分の好きな歌詞の意味で「さくらさくら」を捉えてみてください
さくらさくらの新歌詞の意味
•新歌詞の意味【2パターン】
新歌詞【野山も里も】
さくら さくら
野山も里も 見わたす限り
かすみか雲か 朝日ににおう
さくら さくら 花ざかり
(作者不詳)
●わかりにくい言葉
・におう=
美しく咲いている、美しく映える
・花ざかり=
花が盛んに咲いている
新歌詞の意味
桜が咲くと
野山も里も 見渡す限り
一面に桜の花が広がり
霧か雲がたくさんあるかのよう
朝日に照らされて
桜が美しく見えてきた
桜が満開に咲いている
新歌詞では「空」→「野山・里」になっているため、満開の桜の花を霧や雲に例えていると解釈できます。
「匂う」も「朝日」というキーワードにより匂いよりも見え方を歌っていると考えられます。


さくらさくらの歌詞は2つ
•旧歌詞の由来
•新歌詞の由来
•新歌詞ができた理由
•歌詞が2つとも使われ続ける訳
旧歌詞=箏の曲
旧歌詞「弥生の空は…」は1888(明治21)年にできたと言われています。
「桜」というタイトルで箏曲集に収録されたのが始まり。
原曲は「咲た(さいた)桜」という箏(こと)の練習曲で、歌詞は違う内容でした。
箏曲集を作る時に、新しい歌詞とタイトルが作られ「弥生の空は…」の歌詞になったのです。
●「咲た桜」の歌詞
咲いたさくら
花見て戻る 吉野はさくら
竜田はもみぢ 唐崎の松
ときわ ときわ 深緑

新歌詞=小学校の教科書用
新歌詞「野山も里も…」ができたのは1941(昭和16)年。
国民学校(今で言う小学校)の教科書「うたのほん」に掲載するために作られました。
歌詞が作られたのは戦時中。
そのため、日本のために美しく散っていく軍人を表現した歌詞だという説もあります。
新歌詞が作られた理由
新しい歌詞が作られた理由=旧歌詞の意味がわかりにくいから。
旧歌詞は国民学校=小学校の教科書に掲載するには言葉の意味が難しすぎました。
そのため、旧歌詞の精神を取り入れて替え歌を作ったと言われています。

現在=2つとも歌われている
新歌詞が登場したことで旧歌詞が歌われなくなったわけではありません。
学校でどちらの歌詞も教わることがあるようです。
どっちも教わるケース
・新歌詞=1番、旧歌詞=2番とする楽譜がある
・小学校で新歌詞、中学校で旧歌詞を習う

さくらさくら=満開の桜を表す歌
・新歌詞では意味が統一されやすくなっている
・さくらさくらの歌詞は2つあるが、現状どちらも歌われている
・新歌詞を1番、旧歌詞を2番と習うこともある
さくらさくらは満開の桜の美しさを歌ったもの。
このことを崩さなければ、歌詞の細かい解釈は人それぞれでもOKです。
ここで紹介した歌詞の意味もぜひ参考にしてみてください。